鎌田浩二 (カマダコウジ)
略歴
1997年4月 | 上智大学国際言語情報研究所助手(2003年度まで) |
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2009年11月 | エジンバラ大学哲学・心理学・言語科学大学院言語学専攻博士課程修了(PhD) |
2012年4月 | 千葉大学文学部准教授 |
2017年4月 | 千葉大学大学院人文科学研究院准教授 |
2019年11月 | 千葉大学大学院人文科学研究院教授 |
研究内容
言語現象は、個人(少人数)レベルに深く関わるものと集団レベルに深く関わるものの大きく二つに分類できると思われる。さらに、この各レベルは、時間尺度に基づき、それぞれ次の二つのレベルに分類される。つまり、個人レベルは、(a)比較的瞬時に行われる言語使用(言語処理/語用論)レベルと、(b)数年単位で行われる言語獲得(個体発生)レベルに分類され、集団レベルは、(c)数百年~数千年単位で行われる言語変化(歴史的変化)レベルと、(d)数十万年~数百万年単位で行われる言語進化(系統発生)レベルに分類される。(a)~(d)の諸現象は全く独立して存在しているのではなく、お互いが密接な関係にある。
最近の主な研究対象としてきた現象は、上記の分類に従えば(a)に相当する。つまり、言語機能の一部と従来思われていた知識(制約)に基づき説明されてきた諸現象に関して、言語処理による説明の方が経験的に優れていることを示すことで、その知識の存在に疑問を投げかけてきた。今後も、生得的と広く受け入れられて来た知識の整理を図り、「何が生得的であるのか」と云った疑問の解明に努める予定である。また、 (a)~(d)の統一的説明の可能性にも興味がある。
主要な担当授業
英語学概説、英文法、英語史、英語音声学、英語学演習、生成文法理論演習
主要な所属学会
日本英語学会、日本英文学会、Linguistic Society of America
最近の主要な研究業績
著書(単著)
- Rightward Movement Phenomena in Linguistics, Cambridge Scholars Publishing, Newcastle upon Tyne, 2018
論文
- “The grammar-parser interplay: A case study of (heavy) NP shift constructions from a cross-linguistic perspective”, Proceedings of the International Conference on Linguistics (PALing 2018): 108-117, 2018
- “Japanese Postverbal Constructions Revisited,” Proceedings of the 30th Pacific Asia Conference on Language, Information and Computation (PACLIC 30) : 319-328, 2016
- “English Right Dislocation,” Proceedings of the 29th Pacific Asia Conference on Language, Information and Computation (PACLIC 29): 225-234, 2015
- 「日本語後置構文と言語情報処理」(Japanese Postverbal Constructions and Language Processing)『Sophia Linguistica』61: 165-185, 2014
- “The Island Effect in Postverbal Constructions in Japanese,” Proceedings of the 27th Pacific Asia Conference on Language, Information and Computation (PACLIC 27): 457-466, 2013
- 「言語情報処理の観点からの後置構文の可能性」『日本エドワード・サピア協会研究年報』25: 11-21, 2011
- 「英語の右方転移構文」(The Right Dislocation Construction in English) 『Sophia Linguistica』57: 131-153, 2010
学位論文
- Rightward Movement Phenomena in Human Language. PhD Thesis, University of Edinburgh, 2009