高橋絵里香 (タカハシエリカ)
- 行動科学コース
- 文化人類学専修
- takahashi@chiba-u.jp
- 電話番号: 非公開
- 研究者総覧researchmap: https://researchmap.jp/read0134931
略歴
2001年 | 修士(学術) (東京大学大学院) |
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2011年 | 博士(学術) (東京大学大学院) |
研究内容
福祉人類学、老年人類学、医療人類学。フィンランド南西部の二言語地域において、独居高齢者の生活と地域福祉の様態について、フィールドワークを行ってきた。また、最近はフィンランドの家族介護者支援制度の研究を開始した。福祉国家としての財政的な限界を抱える当地において、家族介護者はケアの多元化を担う重要なアクターとして評価され、ケアワーカーとしての労働条件を保障するための制度が整備されつつある。そうした支援制度を、家庭という親密な領域に行政やNPOといった他者たちを介在させる論理として読み替えることで、家族のあり方を再考しようと試みている。
主要な所属学会
日本文化人類学会、日本福祉社会学会
主要な研究業績
著書(単著)
- 2019『ひとりで暮らす、ひとりを支える——フィンランド高齢者ケアのエスノグラフィ』、青土社。
- 2013『老いを歩む人びと―高齢者の日常からみた福祉国家フィンランドの民族誌―』、勁草書房。
著書(共著)
- 2021 “Publicly Privatised: Relative care support and the neoliberal reform in Finland.” in Managing Chronicity in Unequal States: Ethnographic perspectives on caring. Laura Montesi, Melania Calestani (eds.) , University College London Press, pp. 70-90.
- 2021「言葉にならない気持ちをフィールドワークする」『「心」のお仕事 : 今日も誰かのそばに立つ24人の物語』 河出書房新社、pp. 220-230。
- 2021「個人的な住宅――ハウジングにみるフィンランドの世代間関係」『家族のなかの世代間関係 : 子育て・教育・介護・相続』(小池誠・施利平 編)、日本経済評論社、pp.313-336。
- 2020「エイジングの人類学」、「医療とケアの民族誌」『「人新世」時代の文化人類学』 (大村敬一・湖中真哉 編)、放送大学教育振興会。
- 2019「親族と名前――関係している状態をつくるもの」『文化人類学の思考法』 世界思想社、pp.152-163。
- 2019「最適化されたケア-フィンランドの社会サービス改革と“市民‐消費者”の浮上」『ケアが生まれる場—― 他者とともに生きる社会のために 』(森明子編)ナカニシヤ出版、pp.38-53。
- 2019「誰がボタンを押すのか――フィンランドの緊急通報システムにみる要求/提供のダイナミクス」『再分配のエスノグラフィー――経済・統治・社会的なもの』 悠書館、pp.39-62。
- 2019「先住民と言語的少数派―フィンランドのサーミとスウェーデン語話者」『先住民からみる現代世界: わたしたちの〈あたりまえ〉に挑む』 昭和堂、pp.213-217。
- 2014「フィンランドの高齢者福祉」『朝倉世界地理講座 中央・北ヨーロッパ』 朝倉書店、pp. 354-357。
- 2014「孤独への道程――フィンランドの独居高齢者の社会生活と在宅介護」『境界を生きるシングルたち』 人文書院、pp.45-62。
- 2010「ひとりで暮らし、ひとりで老いる―北欧型福祉国家の支える“個人”的生活」『シングルで生きる―人類学者のフィールドから』pp.99-112、東京:御茶ノ水書房。
- 2008「在宅介護―家族/社会という幸福の狭間で」春日直樹編『人類学で世界を見る―医療・生活・政治・経済』pp.1-17、京都:ミネルヴァ書房。
- 2005「スウェーデン語系フィンランド人―国家形成への寄与と少数派の権利擁護にみるフィンランド近代化の歩みから」原聖・庄司博史(編)『講座 世界の先住民族―ファーストピープルズの現在 第6巻 ヨーロッパ』pp.76-91、東京:明石書店。
- 2005「老いることの民族誌―老人福祉」山下晋司・福島真人(編)『現代人類学のプラクシス』pp131-143、東京:有斐閣。
論文
- 2021「ひとり生きるために:ケアされる自由のエスノグラフィ 」『臨床心理学 増刊』 (13):92-96。
- 2015 「決定/介入の社会形態―フィンランドの認知症高齢者をめぐる地域福祉の配置から考える」『現代思想』、43(6):231-245。
- 2013 “Halfway Down to Solitude: Ageing as the process of engagement/ disengagement through social welfare in Finland,” Senri Ethnological Studies. 81: 113-128.
- 2011「“在宅”の思想:フィンランド西南部の地域福祉にみる市民社会の範域とエイジング」『国立民族学博物館研究報告』第36巻1号、pp. 35-76。
- 2011「道徳としての地域社会とエイジング―社会的なものの領域への語り口から―」第38号、pp. 24-29。
- 2009「老いを歩む:フィンランドの年金生活者達の合宿にみる身体変容への展望(特集 メタモルフォーシスの人類学)」『文化人類学』74巻3号、pp.478-488。
- 2009「福祉<社会>と人類学:二十世紀福祉思想にみるホリズム」『社会人類学年報』35巻、pp.33-56。
- 2008「自立のストラテジー:フィンランドの独居高齢者と在宅介護システムにみる個人・社会・福祉」『文化人類学』73巻2号、pp. 133-154。
- 「幸運なマイノリティ:スウェーデン系フィンランド人をめぐる差異のポリティクス」『超域文化科学紀要』第12号、pp.237-259。
- 2002「ナーシングホーム民族誌の展開」『民族学研究』67巻3号、pp.328-339。