卒業生からのメッセージ

‘22 国際言語文化学コース Iさん

‘22 国際言語文化学コース Iさん, 2024年3月大学院人文公共学府人文科学専攻修了後、国立西洋美術館・教育普及室に就職

みなさんはどんなキャンパスライフを思い描いていますか。また、大学を卒業するときどんな自分になっているでしょうか。入学当初大きな目標も将来の夢もなかった私は、文学部国際言語文化学コースを卒業後、大学院に進学し、現在は国立西洋美術館の教育普及室で仕事をしています。私が千葉大学で過ごした6年間は、「人生何があるかわからない」の連続でした。

中学生の頃から英語の学習や世界の様々な文化を知ることが好きだったため、欧米圏の言語と文化を学べる国際言語文化学コースで学ぶことを志し、なんとか入学を果たしました。入学後1年間は基礎的な知識を中心に学び、2年次にロシア語を専門に選んで、千葉大に留学に来ていたロシア人留学生とも親しくなりました。大学に入るまでロシアについてはわずかな知識しかありませんでしたが、学び始めると文学、芸術、自然など興味と魅力の尽きることのない地域だと気づきました。

また、入学時に「何か資格を取っておこう」と思いなんとなく受講を始めた「学芸員課程」での学びがとても興味深く、現在の仕事につながっています。高校時代は部活動で忙しかったこともあり、大学に入るまで美術館という場所にはほぼ無縁でした。しかし学芸員課程で美術館のバックヤードや展覧会の企画について学ぶと、次第に美術館に足を運ぶことが増え、美術館で働くことに魅力を感じ始めました。卒業論文もロシア美術にまつわるテーマを設定し、学部の4年間で思いのほか美術の世界に魅了されてしまいました。

国際言語文化学コースは大学院へ進学する人が少なく、私自身も当初進学は考えていませんでした。しかし、コロナ禍での勉学に心残りがあったこと、また美術館の求人の多くが「大学院修了」を要件にしているということに背中を押され、進学を決めました。大学院在学時は授業や研究活動と並行して、学外で美術館業務の知見を深めるためにできる限りのことをしました。複数の美術館でインターンシップやボランティアに取り組み、またワークショップの補助をしたりと、さまざまな業務を体験させていただきました。その中でも「教育普及」の活動は、運営に携わりながら来館者の顔が見える位置で働くことができるという点に魅力を感じ、この仕事がしたいと強く思うようになりました。

とはいえ、博物館や美術館への就職は門戸が狭いだけでなく、一般的な新卒就活とは時期や形態がまったく異なっており、非常に難しいのも事実です。なので私は当初一般企業を目指して就職活動していましたが、それでもやはり諦めきれず美術館就活の道に進むことを決心し、幸運なことに良いご縁をいただいて今に至ります。

私は千葉大学で、それまで考えられなかった選択肢や新たな自分の可能性に出会いました。みなさんもぜひ色々なことに出会って、じっくり考えてみてください。みなさんが素敵なキャンパスライフを送れるよう、祈っています。

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