‘22 行動科学コース Sさん, 公務員として就職
私が所属していた認知情報科学専修の比較認知研究室では、動物と人間の比較を通して、人間の認知のルーツがどこにあるのかを理解することを目的に研究を行っています。研究室で飼育しているハトを使った実験が中心ですが、ヒトやネコを使った研究も行っており、人間の認知の理解に対して幅広くアプローチすることができます。私は、ヒトの認識と性格特性にはどんな関連があるのかを検討する研究を行っていました。研究生活では、実験プログラムの作成を手伝ったり、実験の参加者を募ったりなど、貴重な経験をたくさんさせていただきました。
人間の認知や行動に興味を持つことは、一見私たちが当たり前にやっていることに疑問を投げかけることで、単に自分の興味関心を深めるだけでなく、社会一般に通用する普遍的な学びを得ることができます。これが、比較認知科学を含め、行動科学を学ぶ強みだと私は思っています。私は現在、国家公務員として、国のお金が予算通りに使われているか検証する仕事に携わっていますが、その業務にも、比較認知研究室での学びで培った探究心が大きく生かされています。
みなさんは、これからの大学生活で得られる学びを、どう将来に生かしていきたいですか?大学選び、学部選びをするこの機会にぜひ、卒業した先の未来のビジョンまでイメージしてみてください。
大学生活は、これまでの生活と比べて、自分の意思で選択する機会が格段に増えます。また、自由に使える時間も多くなります。その貴重な時間を大切に、大学の授業に限らず様々なことに挑戦して、自分の可能性を広げていってください。私も学生時代は、留学、ボランティア、インターンなどを経験しましたが、それでももっと挑戦できることがたくさんあったなと感じています。みなさんも、今の自分の枠にとらわれずに、どうやったらできるだろう?という視点で、やるための方法を探してみてください。そして、大学選び、学部選びが選択の第一歩となる方も多いと思います。みなさんが自分の決断に納得して、新たな一歩を踏み出せることを心から願っています。