卒業生からのメッセージ

'12 史学科(現:歴史学コース) Dさん

'12 史学科(現:歴史学コース) Dさん,不動産業界に就職

卒業生からのメッセージ

 私が千葉大学の史学科を目指そうと決めたのは、日本史、東洋史、西洋史といった専攻に、はっきりと分かれていなかったからです。受験生の頃、私は、興味がある分野がいくつかあったため、専攻を一つに絞るということができませんでした。そんな自分にとって、専攻の垣根がなく、自分の関心のある授業をとりながら自分の研究テーマを決定していくという千葉大の史学科のスタイルは、とてもあっていました。

 2年次からはゼミに所属し、専門的な内容を学んでいきます。そして最終ゴールである卒業論文にむけて研究テーマを絞っていきます。私はエジプト近現代史を専門とし、19世紀のエジプト人のアイデンティティに関わる研究を卒業論文のテーマとしました。

 卒業論文を書くにあたっては、実際に史料にあたり、そこから得たことを基にして論を組み立てていきます。そのために、自分が分野の言語(私の場合はアラビア語でした)を早い段階で勉強する必要もあります。言語の勉強から、研究テーマの設定、さらに文献、史料の読み込みや実際の執筆にいたるまで、卒業論文は非常に時間がかかるもので、一人ではいきづまることも多々ありました。しかし、先生方が親身になって相談にのってくださり、多くの助言を与えてくださったことで、無事卒業論文を書き上げることができました。このように、先生方が4年間、熱心に指導してくださるのも史学科の良い点であると思います。

 また、文学部の進路については、様々な道が考えられますが、私は企業への就職をめざし、就職活動をスタートさせました。その中で「世の中には自分の想像以上にいろいろな仕事がある」ということに気づきました。私は現在、不動産業界のなかでも「マンション管理」という業界で仕事をしています。この仕事自体、就職活動を通じて知るようになったものです。未知の業界ではありましたが、業務について勉強するうちに、マンションという1つの共同体の運営に関わることに深く興味を覚えました。マンションにおこる問題は社会問題と関連するものも多くあり、社会の動きにより敏感になり、それに対する解決策を示す力が必要です。そして、そういった部分は、歴史上の諸事実からその社会の様相や問題について考えるといった、史学科で学んだことと、少なからず通じるものがあるのではないかと思います。

 「大学生活はあっという間」とはよく言われますが、この4年間は本当に矢のように過ぎていきました。特に、3年生から卒業にかけては就職活動に卒業論文と、非常に内容の濃い日々を送っていたと思います。しかし、大きな二つの山を乗り越えたことで、自分も成長できたのではないか、とも感じています。千葉大学をめざす皆様も、一日一日を無駄にせず、実のある大学生活を送って下さい。

▲ PAGE TOP