3年次編入生の体験記です
行動科学コース認知情報科学専修4年 Sさん(2024年入学)
志望動機
大学2年生まで在籍していた大学では心理学を学んでいました。そこで、認知心理学に関する授業をとった際に動物の認知情報科学について概論を学び、興味を持ちました。しかし、在籍していた大学は臨床心理学の研究や講義が充実しており、認知情報科学や動物の研究は行われておらず、編入学試験を受験することを決めました。
また、高校在学時には動物に関連した研究がしたいと考えており、自分の興味のある研究分野にこれまで学んできた心理学の知見を活かすことができることも志望理由の一つでした。
入試準備
編入学試験の受験を決めたのは、大学1年生の後期でした。心理学と認知情報科学は共通する知識も多いため、まずは大学の講義をしっかりと理解するように心がけていました。また、試験対策として英語の論文を読んでいました。
在学状況
単位認定は60単位申請し、全て認定していただきました。これは、もともと在籍していたのが心理学科だったこともあり、専門科目を多く認定していただけたことが大きかったと思います。
元々在籍していた学部が文学部ではなかったため、共通基礎科目はほとんど申請できず、3年次は主に共通基礎科目と認知科学の専門科目を履修しました。
進路希望
卒業後は大学院に進学し、学部での研究をさらに発展させていきたいと考えています。
3年次前期の時間割
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1 | 認知情報科学発展実習a | ||||
2 | 人文科学専門英語(認知情報科学)/English for Humanities (Cognitive and Information Sciences) | 知的情報処理論a | 認知情報科学発展実習a | 多様性認知論演習a | |
3 | 日本人の国際倫理T2国際科目(展開) | 比較認知論a | |||
4 | 言語情報処理論a | データ解析基礎論a1 | 比較認知行動論演習a | 認知行動基礎論a/Foundations of Cognitive Behavior a | |
5 | 【T1-2】社会学基礎 |
歴史学コース4年 Sさん(2024年入学)
志望動機
2年次までは美術大学に在籍し、展示のキュレーションやIllustrator・InDesignを用いた誌面デザイン、西洋美術史などを学んでいました。
3年次の4月に西洋美術史ゼミの担当教員と面談を行った際、「大学院への進学を目指すのであれば、学部の時点で歴史学や美術史の方法論を学んでおくべき」との助言をいただき、他大学への編入を考え始めました。
自分で調べた結果、6月に千葉大学を受験することを決意しました。千葉大学には、私の関心領域に近い研究をされている先生がいらっしゃることに加え、歴史学の枠組みの中で美術史を学ぶことができる点に大きな魅力を感じました。また、西洋美術史研究において著名な若桑みどり先生がかつて在籍されていたことから、美術史の研究が根づいている大学であると感じ、編入先として強く惹かれました。
受験準備
6月に受験校を決めたため、7月に提出論文のテーマ決定と資料収集、8月に執筆、9月上旬に論文の添削と出願理由書の作成という、非常にタイトなスケジュールとなりました。
受験準備と同時に、美大の授業課題や予習、大学祭の副実行委員長としての仕事、さらにはアルバイトもあったため、隙間時間を活用しながら受験準備を進めざるを得ませんでした。
西洋美術史ゼミの先生に指導教員としてご協力いただき、提出論文および出願理由書の相談や添削をお願いしました。論文の形式を整えることを意識しつつ、自分の考えを論理的に表現することに努めました。限られた時間の中で取り組むにあたり、研究史に残るような大きな発見を目指すのではなく、先行研究を丁寧に整理し、卒業論文にも発展させやすい比較的コンパクトなテーマを選ぶようにしました。このようにテーマの規模を調整したことが、結果的に良い方向に作用したのではないかと思います。論文の進捗に応じて指導教員に定期的な添削をお願いし、論文の書き方や論理性の維持についてもご指導いただきました。
出願理由書では、「なぜ千葉大学でなければならないのか」という点を中心に、自分の率直な思いや考えを盛り込みました。「この先生のもとで学びたい」という動機や、歴史学コースの授業内容を事前に把握したうえで、なぜ歴史学の学びが自分に必要であるのかを丁寧語で記述しました。
面接練習は特に行いませんでしたが、対策として、提出論文の内容や使用した専門用語・人物についてあらためて調べ直し、口頭で説明できるように独り言で練習していました。
また、2年次までの学びや卒業後の進路についても話せるように準備し、どの回答も「自分が学びに対して熱心であること」が伝わるよう意識しました。30分程度の短い面接の中で、いかに自分の姿勢や熱意を伝えるかを大切にし、虚飾なく、自分の言葉で答えることを心がけました。
心構え
提出論文や面接に向けて、不安や弱気な気持ちになることもありました。しかし、「わざわざ編入してまで学びたいことがある」、「その学びのためにこれだけ努力してきた」という、これまでの自分の歩みをしっかり認め、自信へとつなげていました。
私自身、自信のなさは説得力のなさに直結すると感じていたので、最後まで自分を肯定しながら試験に臨みました。「これだけ頑張ったのだから、きっと大丈夫」と思えるところまで粘り強く取り組むことで、自然と自信が湧いてきました。
入学準備
入学準備においては、勉強というよりも、美術大学から千葉大学へと進学するにあたり、自分自身のフェーズを切り替えるための心構えや環境の整理を行っていました。
合格発表後も、美術大学での学びには最後まで真剣に向き合い、良い成績を収め、悔いを残さないよう努めました。
歴史学に関する基礎知識がなかったため、無理に専門書を読むことはせず、むしろ美術館やギャラリーを訪れて展示を鑑賞するなど、これまでの関心領域を大切にしながら過ごしました。また、美術大学で築いた人間関係を良好に保つため、大学のイベントにも積極的に参加していました。
在学状況
編入後、以前の大学の単位を千葉大学の単位として認定を受けることができます。私は美術大学で修得した単位のうち、44単位を申請し、37単位(普遍科目:29単位、専門科目:8単位)の単位が認定され、卒業まで80単位となりました。これは他の編入生と比較して少ない認定数であったため、3年次は幅広い分野の授業を履修しました。また、美術大学在学中から学芸員資格の取得を目指し、必要な単位を積み重ねていましたが、編入後の履修状況を踏まえ、学部ではなく修士課程での取得に切り替えることにしました。
多くの授業や課題をこなし、良い成績で4年次に進級できたのは、文学部歴史学コース学生有志で構成された「図書委員会」の協力によるところが大きいと感じています。履修を組む際には、先輩や後輩から過去の授業の雰囲気や内容についてアドバイスをもらい、授業が始まってからも、さまざまな面でサポートを受けました。そのおかげで、歴史学コース内で縦のつながりも持つことができ、心細さや不安を感じることなく、学業に専念することができました。
サークル活動は、文学部公認サークル「歴史研究会」に所属しています。また、歴史学コースや今後入学してくる3年次編入生のサポートがしたいと考え、図書委員会にも参加しました。4年次には、2年生向けに演習授業の解説イベントを企画し、後輩たちが履修を組みやすくなるだけでなく、多様な学びの中から関心を広げられるよう工夫しました。
千葉大学での学びも課外活動も充実しており、とても楽しい学生生活を送ることができています。
履修科目
3年次は、68単位を修得しました。2年以内での卒業を目指しているため、3年次では興味のある授業を積極的に履修しました。
単位を落とすことは避けたかったので、体調管理に気を配り、金曜日を全休とすることで、金・土・日の三日間を予習・課題・休息に充てるようなスケジュールにしました。履修科目は、①関心のある内容であること、②予習・課題・評価の負担が過度でないこと、の2点を基準に選び、加えて空きコマができないように時間割を調整しました。
4年次は、前期で卒業論文以外の単位を修得し終えるような時間割を組みました。
3年前期(T1-3)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1 | 世界の歴史と日本(T1) 心と自己の科学(T2) |
地域づくりとアートマインド(T2) | |||
2 | 文化資料論基礎a | ヨーロッパ・アメリカ史基礎b | 古代ギリシア語入門a | 史学方法論a | |
3 | 世界史基礎a・b | 中東・アフリカ地域史a | 東南アジア地域史a | 美学基礎a | |
4 | 図像解釈学演習c | アジア史基礎a | 図像解釈学 | 団地再生まちづくり(T1) | |
5 | 社会学基礎 | 東南アジア社会論演習a |
集中講義:生涯学習概論、CALL2、博物館・情報メディア論
3年後期(T4-6)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1 | |||||
2 | 世界の中の日本、日本の中の世界(T5) | ヨーロッパ近現代社会論b | 古典ギリシア語入門b | 史学方法論b | |
3 | 宗教文化史演習a | アジア・アフリカ植民史論a | 文化資料論基礎演習c | 人文科学の課題:世界を知るa1(T4) | |
4 | 図像解釈学演習d | 文化人類学研究法b | 社会文化史演習b | ||
5 | 文化人類学基礎 | 東南アジア社会論演習b | 人文科学の課題:地域を知るa2(T4) 現代社会で働くことa(T5) |
集中講義:博物館経営論、博物館資料保存論、歴史学研究演習
日本・ユーラシア文化コース3年 Cさん(2025年入学)
志望動機
以前通っていた大学では主に学校教育、特に国語科の教育について学んでいたのですが、学生生活を送る中で次第に日本人の思想、倫理観、価値観と言葉との関連に興味を持つようになりました。通っていた大学での学びとは方向性が変わってしまうため他大学への編入学を決め、複数の大学を検討した上で、日本国内に留まらず中国や朝鮮などの文化や思想についても学べそうな千葉大学の日本・ユーラシア文化コースにぜひ入りたい、と考えるようになりました。
入学準備
他大学への編入学を視野に入れ始めたのは大学1年の秋ごろでしたが、本格的に受験を意識し始めたのは2年の春の終わりでした。私には編入予備校に入って対策するほどの期間がなかったため、インターネット上での数少ない情報や体験談を頼りに自力で対策したのですが、自分のやり方が合っているのか常に不安でした。ですので、もし金銭的・時間的に余裕があるようでしたら、編入予備校を利用した方が良いと思います。
千葉大学の編入試験は専門科目のみになっており、全ての大問を解くわけではなく、試験時に自分で大問を複数選んで解く形式です。古典では変体仮名の翻刻が出題されました。これは毎回出題されているようですので、何の勉強から始めるかで悩んだ時は、まず翻刻の勉強に着手することをおすすめします。
私が受験した際には五十音表の特徴に関する記述、専門分野の英語長文読解などもありました。
また、試験は筆記だけではなく面接もあります。1日の中で筆記試験の後にお昼休憩を挟んで面接するという形になっているため、面接では筆記試験の手応えや、出題内容とそれに対する自分の答え、どうしてそう答えたのかなどについての言及があります。お昼休憩中に、筆記試験の内容を頭の中で整理しておくと良いと思います。
受験勉強は、具体的には以下のように進めました。
変体仮名の翻刻に関しては、くずし字の無料アプリを入れ、毎日の隙間時間や休憩中に少しずつ取り組みました。
古典以外に関しては、書店にて千葉大学の一般入試の過去問を購入し、各年度の国語の問題を解いて解説を読むという作業を繰り返しました。同時に、古代から現代にかけての日本文学史を一通りさらい、和歌や俳句の技法についても簡単に説明できる状態にしておきました。
英語長文を選択する可能性がある場合は、英単語(余裕があれば日本語学、文化人類学などに関連する英単語も)の勉強をしておくと尚良いかと思います。
ちなみに、編入学試験の過去問は流通していませんが、千葉大学に赴けば筆記試験の過去問を手書きで写して帰ることが可能です。一度問題形式を把握しておきたいという方は、写しに行ってみてください。
面接対策としては、まずは志望動機をすらすらと言えるようにした上で、どのように指摘されたとしても自信を持って答えられるように、想定される質問とそれに対する自分の返答を用意しておきました。また想定外の質問が来ることも考慮し、自分の志望動機の中で理解が甘い部分がないようにしておきました(例えば「体系的な研究を行いたい」とは具体的にどのような研究をしたいのか、などです)。なぜ他の大学ではなく千葉大学で学びたいのかをあらかじめ自分の中で言語化しておくことが非常に重要です。受けたい講義についてもいくつか調べておきました。
他には、自分が研究したいテーマに関する本を読み、気になったポイントと自分の感想をノートにまとめておく作業も行いました。実際に面接時に役立ったので、面接対策として本や論文に触れておくことはかなり有効だと思います。
心構え
上でも述べましたが、編入学試験の情報入手は中々に困難です。また勉強仲間もできにくいため、苦しい思いをする局面は少なくありません。また私の場合は以前の大学も四年制であったため、他大学への編入学を選択することは、自分だけ途中で仲間たちから離れることと同義であり、果たして自分の判断は正しかったのかと考え込んだ時もありました。
しかし今は、勇気を出して千葉大学に編入学して良かったと心から思っています。自分の関心に真っ直ぐ向き合える環境に身を置くことの大切さを日々実感しています。
編入学試験を受けようとしてこの体験記を読んでくださっている方も多いと思います。
そういった方々の中には、一時期の私のように、「編入学することが自分にとって本当に正解なのか」と自分の判断に自信を持てなくなる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どうか自分を信じてあげてください。試験を受けてまで自分の関心に向き合い直そうとするその志自体、非常に尊いものです。
ご自身の気持ちに対して素直になって、等身大の自分で試験に挑みましょう。
心から思って話したことは、面接官の先生方にも必ず伝わります。
進路希望
まだ明確な進路希望は定まっていませんが、進学・就職のどちらを選んだとしても、自分が得た学びを生かせる環境に身を置きたいと考えています。
在学状況
以前の大学で修得した単位の大部分を認定していただけましたので、このまま順調に単位修得すれば4年生の3月で卒業できるかと思われます。しかし私は、以前の大学から引き続いて中学校・高等学校の教員免許取得を目指しているということもあり、万が一上手くいかなかった場合は留年する可能性もあります。編入学試験に出願する際に、この件に関しても保護者と協議して了承を得ておきました。
履修科目
前期第1タームの時間割です。
時間割には記載していませんが、いくつかオンデマンド授業も履修しました。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1 | からだと動き | 人文科学の課題:地域を知るb1 | |||
2 | 朝鮮語文化 | アイヌ語a | |||
3 | 特別活動 | 書写概論 | 生徒指導・教育相談の理論と実際 | 近代文学論演習c | |
4 | 人文科学専門英語(ユーラシア言語文化論) | 道徳教育の理論と方法 | |||
5 | 総合的な学習の時間の指導法 |
国際言語文化学コース3年 Sさん(2025年入学)
志望動機
文学部の英語圏文化コースを受験したいと思ったきっかけは、元々読書が好きだったのですが、学問的視点から文学作品を読み、思考、感性を磨き、文化的教養を培いたいと思うようになったからです。自分はかなり前に短期大学の英文科を卒業しましたので、やはり英語圏の文学について研究したいと思いました。
また、職場で学士を有する同僚達の論理的思考、プレゼン力などにも触発され、自分も大学で学び直し、彼らの様な技量を身に着けたいと思っていたのももう1つの動機です。
千葉大学を選んだ理由は、挑戦するのなら目標は高く、というのが自分のモットーであることと、自分の学びたい分野があること、総合大学で所属するコース以外の授業も充実し、受講可能であること、全員留学制度等、多くの魅力があったからです。
入学準備
短大卒業時は卒業試験のみで卒論はなかった為、論文作法を学ぶ為、退勤後に月に1,2度のペースで論文の書き方講座を受けました。千葉大を受験すると決めたのが、受験日の約10ヶ月前でしたので、講座には約9か月通いました。
論文のテーマは任意でしたので、好きな本について論文を書くことに決めましたが、論文の対象にした本は何度もしつこい程繰り返し読み、大切だと感じた箇所には線を引き、その頁に付箋を貼りました。最後には付箋だらけのカラフルな本となりました。
また、英語での口頭試験については、特に対策はしていなかったのですが、業務で時折海外のクライアントとのやりとりがあったり、趣味の英会話サークルにも不定期に参加したりしていましたので、英語を話す機会はたまにではありますが日頃から持てていました。
面接試験当日は、久しぶりの面接ということもあり、緊張してしまいましたが、先生方が大変穏やかに温かくご対応下さったので、徐々にリラックスして話せる様になりました。
在学状況
申請した単位60単位分認定して頂きました。普通教育科目34、専門科目26です。
前期はオンデマンド授業も含め週に17コマの授業を受けましたが、予想より課題に時間を要する為、あまり欲張って前期に詰め込まず、後期と均等に振り分ける様にしてもよかったかなと思っています。
尚、履修できるのは専攻した英語圏文化学コースの授業のみならず、広く様々な分野の勉強が出来るので、大変充実しており、楽しく学ばせて頂いています。
また、授業外ですが、希望者が利用できるEnglish houseにて、同じ英語試験関連の目標を持つ他学部の学生と共に学ぶことが出来、こちらも大変有意義です。
進路希望
自分は仕事をし終えてから入学させて頂いたので、就職活動をする予定はないのですが、可能であれば翻訳やインバウンド客対応関係の仕事等に携わることが出来ればと思っています。
3年次前期の時間割 (T1= term 1, T2=term2)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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1 | 移民の国際社会学(T-1)(On demand) 現代教育の諸問題(T-2)(On demand) |
アメリカ文化論演習d(T-1,2) | |||
2 | 日本史基礎a(T-1) | 情報リテラシー(T-1,2) | アメリカ文学史a(T-1,2) | 人文科学入門a,b(T-1,2) | イギリス文学史b(T-1,2) |
3 | 世界史基礎a(T-1) | アメリカ文学演習c(T-1,2) | 英語論文演習a (T-1,2) |
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4 | 比較文化論演習b (T-1,2) |
アメリカ小説論演習c(T-1,2) | 地域振興とデザイン(T-1) (On demand) |
英作文応用a(T-1,2) |
集中講座(On demand)
T-1,2 | English for Specific Field |
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T-1,2 | Interaction |
T-1,2 | Presentation |