国際言語文化学コース|コース紹介

ヨーロッパ文化専修

ヨーロッパ文化専修
European Culture

ヨーロッパ文化専修では、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語などのヨーロッパの言語の学習を基礎として、英語圏以外の多様で特色あるヨーロッパ文化、文学をさまざまな視点から学び、研究します。

研究テーマ

フランス文学、ドイツ文学、スペイン文学、ロシア文学などの伝統的な各国文学のほかに、文化論、芸術論、現代思想、複数の国の文学、文化、芸術の比較など、最近の新しい研究領域を含めた広範囲の分野から自分のテーマを選択することができます。1,2年次ではとくに、大学での勉強の基礎となる外国語の学習を重視しています。

授業例

演劇論、小説論、フランス文学演習、ドイツ語圏文化論、ドイツ文学史、スペイン語学概説、ロシア語学概説、ロシア文学演習など。

英語のほかに、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語などのヨーロッパの言語を深く学ぶことで、外国語の面白さを知ることになるでしょう。また、専門となる外国語の学習と並行して、ヨーロッパの多様な地域の個性豊かな文化的伝統についても学ぶことができます。さらに、従来の各国別文学のほかに、比較文化論、文学理論、現代文化論などの新しい研究テーマにもチャレンジすることができます。

ヨーロッパの文学、文化、音楽、絵画、映画、演劇、あるいは最近の社会現象、環境問題やEUなどの今日的問題に強い関心をもっている人を求めています。

もちろん、一度ぜひヨーロッパに行ってみたいと考えている人にもお勧めします。

授業紹介

加藤隆

「比較文明論」

古代以来の人類による文明世界構築の様子と意義を、地球規模で考える。

山口元

「スペイン語a,b」

専門スペイン語の大事な基礎を作る授業です。最初の1年間で量的には、そう、中学の英語の3年分、内容的には、スペインに留学した時、言語学の授業にもなんとかついていけるレベルを狙っています。かなり欲張っています(まあ、現実的に必要な事なのですけれども)。ですから、学習は予習が中心。教員が授業で全部を説明する時間はありません。教科書を読んで、自分で8割9割を理解して、残りの分からないところを(この1,2割がとても大事)授業で質問し、そこを教員が丁寧に説明するやり方を採用しています。クラスメイトの質問を聞いて、目から鱗なんていうこともありますよ。この文法中心の授業を「無事に終了」すると、2年次からは、ガラッと実践的なスペイン語の授業に様変わりします。

石井正人

「ドイツ語圏文化論」

主に一年生の皆さんを対象に、毎年だいたい次のテーマで講義をしています。
「ドイツのコマーシャルとキャッチコピー」
「キリスト教のカレンダーとイベント」
「ドイツのマンガとアニメ」
「過去の克服―ナチスの過去とどう向き合うか」
「近代ドイツ国家の成立」
ドイツについては哲学・音楽・文学が有名なので、この授業では他所では余り触れないようなドイツの文化や生活に関するテーマを扱います。ドイツ語圏文化の意外な一面を知って、新たな興味を持ってもらえればうれしく思います。

大森雅子

「ロシア文化論演習」

2年生以上の学生が選択する専門科目です。ロシア語の初級文法をマスターした学生を対象に、ロシア文化史に関するロシア語のテクストを講読しています。映画、音楽、演劇、オペラ、バレエ、美術など、芸術大国ロシアを知るための基礎を学びます。

髙田梓

「ドイツ文学演習」

ドイツ語圏の比較的新しい文学作品を原文で読み進めていきます。日本語に訳されていない新しい作品を読むことで、ドイツ語を正しく読み、分析する力を身に付けていきます。

高橋知之

「ロシア文学演習」

レールモントフやドストエフスキーの文学テクストの精読を通して、ロシア文学史や思想史の理解を深める授業を行っています。

橋本知子

「フランス文学演習」

小説・映画・批評文を通して、フランス語の読解力を高めます。

教員からのメッセージ

加藤隆

最初は部分から始めざるを得ない。しかし、地域的歴史的広がりだけでなく、人間の質の高さ深さも考慮して、常に全体を視野に入れたほんとうに意義のある人文研究を目指す。

山口元

日本で眺めている景色だけでは、なぜか満足できない人は、人生で飛躍のチャンスをむかえた人かも。

石井正人

ディズニーを観ても(「メリダ」「ラプンツェル」「マレフィセント」!)、グリムの集めた童話だけでなく、「ニーベルンゲン」や「トリスタン」というドイツとヨーロッパ中世の叙事詩を合わせて知っていると楽しみがぐっと増すのになと思います。女性差別や人種差別が熱心に議論され、人権を守る闘いが今もあちこちで続けられていますが、ナチスの悲惨な歴史とそれに正面から向き合ったドイツの現代史やドイツ文学から学べば学ぶほど、議論が深まると思います。ヨーロッパとその中でのドイツ文学・ドイツ語圏文化を学ぶと、たくさんの宝物が見つかりますよ。

大森雅子

ロシアは知れば知るほど面白い国です。大学に入学したら、友人や他の学生とは違う言語・文化を学んで、未知の世界を探求しませんか。ロシア語を学習して、隣国の豊かな文化の扉を開きましょう。

髙田梓

大学時代には、たくさんの出会いがあります。それは決して人との出会いだけではありません。思想、文化、言語、そして学問との出会いが、大学にはあります。ドイツ語を通して見る世界が、みなさんにとって大きな出会いになれば幸いです。

高橋知之

古来、人間は物語を語り、聞き、書き、読み、写し、訳し、論じてきた。文学がつねにそこにあること、それは厳然たる事実。言葉によって作られた高度な遊びの世界を、思いっきり真剣に遊んでみよう。

橋本知子

「よく学びよく遊べ」ーー かつて恩師からいただいたことばです。同じことばをみなさんに贈ります。

過去の卒論タイトルの例

ヨーロッパ文化

  • 2019年
    宮澤賢治作品「やまなし」「注文の多い料理店」における日本語オノマトペのスペイン語翻訳に関する分析と考察
  • 2018年
    カルデロン『人生は夢』における道化の重要性
  • 2017年
    『赤い薔薇ソースの伝説』における怒り
  • 2016年
    アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』(Le Petit Prince)と「ことば」について
  • 2015年
    アルベール・カミュL'étranger における象徴的「母殺し」について
  • 2013年
    La historia del nacionalismo vasco y la ETA
  • 2013年
    E.T.A. ホフマンの作品における視覚と聴覚
  • 2012年
    La Movida Madrileña ―フランコ死後のスペインの若者文化―

比較文化論(2021年度より、ヨーロッパ文化と統合)

  • 2020年
    プレンツドルフ『若きW.のあらたな悩み』における間テクスト性分析(卒論の原文はドイツ語:Intertextuelle Analyse auf Plenzdorfs Die neuen Leiden des jungen W.
  • 2019年
    フィンランドのライフコースの多様性~教育と職業に焦点を当てて~
  • 2018年
    プルードラにみる東ドイツ児童文学の意識転換
  • 2017年
    1980年~90年代のロシアにおけるニコライ2世の文化的表象
  • 2016年
    ドイツにおける自殺ツーリズム問題から考える死の自己決定権
  • 2015年
    1960~80年代のソ連文化における宇宙開発の表象
  • 2014年
    ミャンマーにおけるナッ精霊信仰と日本における道祖神信仰の比較
  • 2012年
    ヨシフ・ブロツキーにおける「リトアニア」と「亡命」
    ー『リトアニア喜遊曲』『リトアニア夜想曲』を中心にー
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