英語圏文化専修
Cultures of the English-Speaking World
英語圏文化専修では、英語およびイギリスとアメリカを中心とした文学と文化を学びます。ルネサンス期のシェイクスピアの古典的な作品から現代ファンタジー小説までの幅広いイギリス文学、人種や地域性に特徴づけられた奥深いアメリカ文学、そして映画、音楽、政治文化など多岐にわたるアメリカの文化を学びます。英語を無国籍なコミュニケーション・ツールとして認識するのではなく、英語が生まれ使われてきた歴史的背景と文化的土壌とを研究するところに特徴があります。
英語圏文化を専門分野とする学生は、卒業論文を30ページ程度の英文で書くことが義務づけられています。(この準備として、3年生は10ページ程度の三年次論文を教員の指導のもと執筆します。)毎年この論文執筆のプロセスを通して多くの学生が入学時よりも飛躍的に英語力を高めて卒業してゆきます。教員と学生1対1での個別指導が行われ、綿密な研究指導と英文添削を受けることができるからです。
ネイティヴ・スピーカーの先生による授業や、英語で発表やディスカッションをする授業もあり、卒論発表会は質疑応答を含めて、すべて英語で行われます。少人数のクラスを生かして、英語の発音指導やプレゼンテーションの方法についての指導も行われています。
授業科目の例
演劇論
シェイクスピア劇を中心に、イギリス・ルネサンス演劇の特質、社会・歴史的意味を考えます。
英語圏文学演習b (Seminar on Anglophone Literature b): Sherlock Holmes and the Baskerville Hounds
This course will compare and contrast the early twentieth-century Sherlock Holmes novel, The Hound of the Baskervilles, by Arthur Conan Doyle (1901), with Steven Moffat and Mark Gattis’ recent BBC adaptation of it, The Hounds of Baskerville (2011). Students will consider the re-make in terms of the contrasting historical contexts and explore critical issues in adaptation from book to film.
アメリカ文学史
アメリカにおける文学の歴史を、その背景となる社会や文化の流れとあわせて概観します。俯瞰的な視点は、個々の作品理解を助けてくれるでしょう。
アメリカ文化論
現代アメリカ文化史を、音楽や映像などから読み解いてゆきます。現在のアメリカ文化がどのようにして作られてきたのかを理解してもらえればと思います。
優秀卒論題目リスト
英語圏文化専修から近年に文学部最優秀論文、優秀論文として選ばれた論文です。
- “The Significance of Victor Frankenstein’s Relationship with Henry Clerval in Frankenstein” (2019)
- “Female Characters Who Formed Joe Christmas’s Gender and Racial Identity in Faulkner's Light in August” (2018)
- “A Musical Analysis of Rock ’n’ Roll in the United States: 1956 to 1959” (2017)
- “Race, Gender and Class in Gilmore Girls” (2016)
- “Mrs Dalloway, Flowers and the Rhizome: A Critical Analysis Based on Deleuze and Guattarri’s Philosophies” (2016)
- “An Analysis of Themes and Continuity in Concept Albums and Rock Opera” (2015)
- “Jane Eyre’s Conformity with Established Conventions” (2014)
- “The Subversion of ‘Human and ‘Monster’ in Mary Shelley’s Frankenstein” (2013)
- “The Analysis of Green Day’s American Idiot and Its Impact on the Presidential Election in 2004” (2012)
- “Huck's Humor and a Safe Place in The Adventure of Huckleberry Finn” (2011)
先生からひとこと
篠崎実
演劇を見ること、詩を読むことは、心を豊かにします。その楽しさを伝えられたら、と思っています。
Andrew Rayment
As Fintan O’Toole says, Shakespeare is hard but so is life!
山本裕子
文学研究の道は、いかに生きるべきかといった根源的かつ普遍的な問いと繋がっています。文学的想像力や感性は、現代に生きる私たちの人生に指針を与えてくれるのです。
舘 美貴子
私たちにとって身近なアメリカ文化ですが、そこには実は、複雑で興味深い歴史と意味があります。みなさんと一緒にアメリカ文化を読み解く楽しさを共有できればと思います。
在学生・卒業生からひとこと
- 英語の授業は大変ですがアメリカやイギリスの文化や文学を学べて楽しいです。
- 文化を学ぶだけでなく自分で考える機会が多いので、どんな分野に関心があるのか、何に興味があるのかを自分で探ることができます。
- 講義や教科書で英語に触れられる機会がたくさんあります。また、文化を通して社会について学ぶことができます。
- ほかの専修より卒論が大変でしたが、最後にきっちり勉強できた気がします。
- ひとつの作品について深く考えられることはなかなかないと思います。卒論やりぬいてください。
- 講義、演習などで英語を耳にする機会が多かったです。
- 英語で卒論を書けたことはよかったです。
- いろいろなことを深く学べるコースだと思います。
- 他の専修よりきびしい分、達成感が違います。
- 洋書のシェイクスピアなどの少し文体が古いものなどを、授業の中で扱えるのは楽しいと思う。
- 英語で文を書く機会が多いので、英作文力があがる。
- 国際色豊かでよかったと思います。
- 先生の親切な指導のおかげで、私の語学力が改善しました。