学生による文学部授業紹介

古文書実習(歴史学コース専門科目)

授業紹介:古文書実習

日本中世史や近世史の研究を行う際は一次史料としてくずし字で書かれた古文書を多く扱います。後世で活字に翻刻されたものは図書館などで手軽に扱うことができますが、当時のままの史料の場合は破損や保存方法に気を付けながら扱わなければなりません。

古文書実習では、くずし字を扱う記録史料演習の既履修者を中心に、千葉大学文学部所蔵の古文書群を用いた資料整理・目録化作業・読解作業を行うとともに、近隣の歴史資料保存活用機関での調査を行うことで、歴史研究に必要なスキルを身につけます。

古文書の整理

まず第1・2タームに、資料がどのように保存されてきたかということや、その取扱方法について事前に学習します。それを元に、第3タームでは実際に史料に触れて、目録を作成します。扱う史料は成島家文書という近世の村方文書で、下総国相馬郡布施村(現在の千葉県柏市)の名主、成島善兵衛が残したものです。

古文書の整理 写真

実地調査①(千葉県文書館、2019年8月)

古文書実習では実地調査として、千葉市にある千葉県文書館を見学します。ほとんどの学生が初めての利用となる中で文書館の利用方法を一から教わり、実際に資料請求や資料撮影を体験します。利用者の立場になって資料に触れることで、より利用しやすい資料整理の方法を考えます。また同施設では、主に千葉県の地区ごとに分類された古文書を所蔵しているため、その収蔵庫を見学し、歴史資料保存活用機関でどのような保存方法がとられているのかを学習します。

実地調査 千葉県文書館 写真

実地調査②(淑徳大学アーカイブズ及び大巌寺宝物殿、2019年8月)

もう一つの実地調査として、大巌寺宝物殿、本堂、淑徳大学のアーカイブズを見学します。大巌寺は淑徳大学のすぐ近くにあるお寺で、宝物殿には大巌寺の由緒に関わる史料が保管・展示されています。淑徳大学自体も福祉に関わる資料の保存や、学祖である大巌寺住職長谷川良信の福祉事業に関する展示を行うなど、独自のアーカイブズを持っています。これらの調査・見学を行うことで、史料の保存だけでなく活用についても学びます。

実地調査 淑徳大学アーカイブズ及び大巌寺宝物殿 写真

紹介者:小野寺華子、高梨彩花、早川仁愛

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