学科 | 国際言語文化 | 授業コード | L4934101 | 科目の種別 | 専門 |
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単位数 | 2 | 期別 | 後期 | ||
曜日・時限 | 火2 | ||||
授業科目 | スラブ文化論演習 | ||||
授業科目 (英文名) |
Seminar on Slavic Culture a | ||||
担当教員 | 鴻野わか菜 | ||||
履修年次 | 2,3,4 | ||||
教室 | 文演1 | ||||
副題 | 比較文化スラヴ・欧米・アジア | ||||
概要 | ふだん知る機会の少ない未知のスラヴ世界について何かを知ることは、新しい大陸を発見するのとどこか似ています。スラヴ世界を知ることによって、ヨーロッパやアジア、アメリカの文化を「別の視点」で見ることができるようになるでしょう。授業では、受講者の発表を中心に、ディスカッションなどを通じて理解を深めます。 | ||||
目的 | NULL | ||||
授業内容 | ロシア・東欧などのスラヴ文化の基礎知識を学びます。 また、スラヴ世界と諸外国の文化交流について考えます。スラヴ世界は、アジア、ヨーロッパ、イスラム世界と様々な交流を行ってきました。20世紀初頭のロシアとフランスはバレエやコスチュームデザインの分野で影響を与えあっていましたし、1930年代にロシアからやってきた二人の前衛画家たちは日本の画壇に衝撃をもたらしました。ロシア第二の都ペテルブルグを舞台にした文学と、霧の都ロンドンを舞台にした小説には、ユニークな類似性があることが知られていますし、アメリカの作家エドガー・アラン・ポーはロシアでブームをひきおこし「ロシアのポー」ともいうべき作家たちが次々に生まれました。20世紀ロシアを代表する女性詩人ツヴェターエワはリルケと文通し、ドイツに亡命したロシア作家たちはカフェでトーマス・マンの姿を追いもとめました。 ふだん知る機会の少ない未知のスラヴ世界について何かを知ることは、新しい大陸を発見するのとどこか似ています。スラヴ世界を知ることによって、ヨーロッパやアジア、アメリカの文化を「別の視点」で見ることができるようになるでしょう。授業では、受講者の興味にあわせてスラヴと諸外国の文化交流のテーマをいくつか選び、発表を中心に授業を進めます。 ---------------------------------------------------------------- 授業で扱うトピックス 受講者各自が、自分の興味と関心に応じて、スラヴ文化に関する事項、あるいはスラヴと別の国の文化交流、比較文化に関する事項から自由にテーマを選び、web情報や書籍、映画などを調べて報告します。テーマは、アニメ、文学、建築、バレエ、音楽、アート、生活、建築、料理など自由です(発表は1人でも数人一組でもかまいません)。 自由にテーマを選ぶことができますが、特に思い浮かばない人は、以下のようなテーマから選択して発表してもかまいません。 テーマ例) ・太宰治『斜陽』とアントン・チェーホフ『桜の園』比較 太宰治はチェーホフの『桜の園』に感動し、「自分も日本の「桜の園」を書きたい」と宣言して名作『斜陽』を書き上げました。この2作を比較すると面白い共通性と違いが見えてきます。 ・余暇の過ごし方、学生生活の違い、ロシア料理等 料理ひとつにもその国の文化が見えてきます。絶妙なエッセーで知られるゲニスとワイリの料理論が、ロシアとアメリカの文化論でもあるように。 参考文献: 米原万里《ロシアは今日も荒れ模様》(講談社文庫,2001) P.ワイリ,A.ゲニス/沼野充義ほか訳《亡命ロシア料理》(未知谷,1996) ・現代日本文化におけるロシア受容 ふだんロシアの情報はあまり日本で伝えられていませんが、新聞、インターネット等を通じて、現代日本におけるロシア文化の受容やロシアのイメージを調べてみましょう。 ・ポーランドの作家スタニスワフ・レムのSF長編小説『ソラリスの陽のもとに』( ハヤカワ文庫 SF 237)とその映画化『惑星ソラリス』(アンドレイ・タルコフスキー監督)、『ソラリス特別編』の比較 ・バレエリュスと世界・日本 20世紀初頭のロシアバレエ団は世界各地で公演を行い、世界の文化に大きな影響を与えました。 参考文献: 野崎韶夫《ロシアバレエの黄金時代》(新書館,1993) 鈴木晶《踊る世紀》(新書館,1994) 鈴木晶《ニジンスキー神の道化》(新書館,1998)他 ・ロシアとヨーロッパが出会う町 ペテルブルグの文化と文学 参考文献: 沼野充義《モスクワーペテルブルグ縦横記》(岩波書店,1995) 大石雅彦《聖ペテルブルグ》(水声社,1996)他 ・ロシアと日本の祝日の違い ロシアは祝日を重んじる国だといわれます。祝日を通じてロシアの生活にふれてみましょう。 参考文献: 原卓也監修《読んで旅する世界の歴史と文化 ロシア》(新潮社,1994) 《講座スラブの世界》全8巻が(弘文堂1994~96)他 ・ロシアのユーモア ロシアはアネクドートとよばれる小話、笑い話の伝統を持つ国です。なぜアネクドートが生まれたのでしょうか、アネクドートにはどんな歴史が反映されているのでしょうか? 参考文献:川崎浹《ロシアのユーモア―政治と生活を笑った300年》(講談社選書メチエ,1999) ----------------------------------- 授業日程 10/7 オリエンテーション・発表の分担を決める 10/14 発表とディスカッション 10/21 発表とディスカッション 10/28 → 学外授業に振替 *学外授業(千葉県佐倉市 川村記念美術館) 〈コマール&メラミッドの傑作を探して〉 展覧会詳細はhttp://www.dic.co.jp/museum/exhibition/exhibition.html ヴィターリー・コマル&アレクサンドル・メラミートは、ロシア生まれで、現在はアメリカで活躍する二人組のアーティストです。10月4日~12月14日まで、千葉県佐倉市の川村記念美術館で、日本初の彼らの大規模な展覧会が予定されています。「象に絵を描かせたらどんな絵になる?」、「みんなの理想の絵ってどんな絵?」など面白い試みを次々に形にする二人の作品をつうじて、ロシア発現代アートに触れます。 参考文献: ・『コマール&メラミッドの傑作を探して』川村記念美術館監修(淡交社 2003年) ・鴻野わか菜「象が絵を描く時――コマール&メラミッドの傑作を探して」『窓126号』(ナウカ 2003年) ・沼野充義編著『イリヤ・カバコフの芸術』(五柳書院1999年) ・鴻英良『二十世紀劇場歴史としての芸術と世界』(朝日新聞社1998年) ・Carter Ratcliff. Komar&Melamid. NY: Abbeville Press Publishers, 1989. 11/11 発表とディスカッション 11/18 発表とディスカッション 11/25 発表とディスカッション 12/2 発表とディスカッション 12/9 発表とディスカッション 12/16 発表とディスカッション 1/6 → 学外授業に振替 (詳細は後日発表) 1/13 発表とディスカッション 1/20 レポート提出日 1/27 レポート返却と今学期のまとめ 2/3 予備日 レポート内容:「授業で扱ったテーマひとつを選び、参考文献も参照しつつ、自由に論じなさい」 A4答案用紙2~4枚を標準とします。 *やむをえない事情で1/20にレポートを提出できない者は、2月3日(火)午後4時までに、文学部2階庶務課前メールボックス室の鴻野のメールボックスに提出すること(なおその際、提出答案のコピーを必ず手許に残しておくこと。) *チェック漏れを防ぐため、2月上旬にレポートを提出した全学生の学生番号を載せたプリントを、文学部1階掲示板に掲示します。レポートを提出したのに、万が一自分の学生番号が載っていない場合は、必ずメールか電話で鴻野に連絡すること。 |
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履修要件 | ロシア語の知識は問いません。 |
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教科書・参考書 | プリント、ヴィデオなど | ||||
評価方法・基準 | 平常点20%、発表40%、レポート40% *但し、学外授業への欠席は、成績評価の対象にしない |
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備考 |